音楽療法は精神にどんな効果があるの?
きっと皆さんの中にも、音楽を聴いて癒されたり、元気をもらったりしたという経験を持つ人は多いのではないでしょうか?
音楽の持つ不思議な効果は、医学的にも証明されており、「音楽療法」として様々な治療に広く用いられているものでもあります。
では、音楽療法とはわたし達の精神にどのような効果を持つものなでしょうか?
音楽療法って何だろう?
音楽が人間の精神に何かしらの効果を持つことは昔から知られてきたことでもあります。
例えば、音楽は医学以外では、宗教の儀式、政治、戦争などにおいても、その効果をあらわしてきました。
「音楽療法」とは、ごく簡単に言えば音楽を用いることで、何かしらの疾病を持った人の精神や身体をサポートしたり治癒させるための治療法だと言えます。
音楽は適切に用いることで、人間の身体や精神を健全なものにしてくれる効果もあるのです。
音楽療法には大きく二つの種類があり、ひとつは楽器を演奏したり歌うことによる「能動的音楽療法」、もうひとつは、音楽を聴くことなどによる「受動的音楽療法」があります。
また、音楽治療に使われる音楽も様々であり、患者や治療の内容によってその都度、適切な効果が得られるものを選ぶこととなります。
音楽治療は精神に様々な効果が
これまでの研究で、音楽は、わたし達の精神に様々な効果をもたらしてくれることが明らかになっています。
音楽療法は、このような音楽の持つ性質を利用することで、「うつ病」や「不安障害」、「統合失調症」などをはじめとして様々な精神の疾病への効果をあらわすことが報告されています。
例えば、音楽治療では、治療を受ける人が自ら主体的に好きな音楽を選び、その音楽を歌ったり演奏したりします。
このような、身体を実際に動かすことによる、能動的な音楽治療は「精神の働き活性化」させ、同時に「リラクゼーション効果」、「ストレスの解消」をもたらすことが確認されています。
私たちの身体は精神と繋がっているものでもあるため、身体の運動と共に「心拍、脳波」が正常化されたり、心が「音楽の持つリズムを感じる」ことは、精神的な意味でも非常に良いことなのです。
さらに、音楽を聴き、ゆっくりと自分の中にあるイメージを膨らませ、豊かにしてゆくことで、「ヒーリング(癒し)」などの効果も期待することができます。
実は音楽治療ははじめ、アメリカで第二次大戦の後、PTSD(心的外傷後ストレス障害) を患った人々の精神的なケアのために用いられたものでした。
現在においては音楽治療は、うつ病などの精神的な治療のみならず、認知症やパーキンソン病なども含めた幅広い病気の治療にも用いられています。
まとめ
音楽に、癒しの効果やリラックスの効果があることは、皆さんも日常の経験からなんとなく気づかれているのではないでしょうか?
近年ではクラシックの曲などをはじめとして、その癒しの効果に関する研究が進められ、メディアなどでも注目されました。
音楽治療はそのような音楽の持つ力を、様々な病気の治療に応用し、役立てるものなのです。
私たちが、日常的に音楽を聴くのも、きっと私たちの精神が、音楽の持っている不思議な効果を、無意識ながらも求めているからではないでしょうか。