音楽と恋愛の関係について
時代を問わずに愛され続けているヒットソングは、ラブソングが大多数を占めています。
なぜ、恋愛に関する音楽がここまで多く生み出され、人々に愛され続けるのでしょうか。
音楽と恋愛の関係について、考えてみたいと思います。
ラブソングとは
まずは、「ラブソング」の定義について、考えてみたいと思います。
「ラブソング」を辞書で引くと
「恋をうたった歌。恋歌」とあります。
出展)http://dictionary.goo.ne.jp/jn/229784/meaning/m0u/
日本人のラブソング好きは、たびたびネット上などで話題となりますが、この日本人と恋愛の歌の関係は今に始まったことではありません。万葉集や、古今和歌集などの古代の歌集に収録されている作品もほとんどが恋愛をテーマにした作品であり、日本の国歌である「君が代」もラブソングであるという説があります。
音楽と恋愛の関係とは
現在のチャートにランクインされている音楽は、恋愛をモチーフにした作品が多く見られます。
この関係の理由について、考察したいと思います。
- 多くの人の共感を得やすい。
片思や、失恋の経験は一般的な日本人のほとんどが経験した事があり、誰もが関係のあるテーマです。多くの人の共感を得るために恋愛をうたった音楽が多くなります。
- 歌詞との相性がいい。
恋愛と音楽はどちらも、感情的な衝動に影響されるものであり、関係性が密接です。明確な定義やロジックが無い「歌詞」という世界と音楽は、食い合わせが良く歌詞にしやすいのも、ラブソングが多く存在する理由であると思います。
記憶と音楽
本当に、世界には恋愛に関する音楽ばかりなのでしょうか。名曲と呼ばれる作品には恋愛に関係の無い曲も実際は多く存在します。しかし、恋愛に関する音楽ばかりの印象を受ける理由は、「記憶に残りやすい」というところにあると考えられます。
恋愛には関係の無い音楽のテーマとして、考えられるのは「政治、スポーツ、青春、友情」などが挙げられます。
私たちが政治に関わる機会は人生の中でどのくらいあるでしょうか。スポーツが趣味の人は多いですが、関係の無い人にとっては、無関心です。
しかし、恋愛には年齢制限も、シーズンもありません。
常に私たちと恋愛は密接に関係をしており、恋愛が成就した歌、うまくいかない歌。未練の歌など多くのラブソングが量産され、それらを自らの境遇に重ね合わせ、人生の記録の彩りとして思い出に残すことが出来ます。
恋愛の歌が多いと一般的に言われる理由は、私たちが常に恋愛と共に生きていて、その都度、自分の境遇と関係性が強い歌を「自分の歌」として記憶するからかもしれません。
音楽著作権の問題点について
近年、YouTubeなどを含めた各デジタル・メディアの発達にともない、音楽著作権に関する問題が取り上げられることが多くなりました。
音楽著作権に関しては、色々と賛否の意見が分かれるところではあると思いますが、今回はそんな音楽著作権に関する問題点について考えてみたいと思います。
音楽著作権とは何か?
音楽著作権とはどのようなものでしょうか?
音楽著作権とは、簡単に言うと音楽を作ったり、演奏したりする人達を尊重し、その作品の権利を保護するためのものです。
なぜ、音楽著作権が必要になるかと言いますと、例えば、あるミュージシャンが作った音楽が、すぐに他の誰かにコピーされてしまった場合、そのミュージシャンは、「音楽を職業として食べていけなくなってしまうから」です。
音楽の作者の権利を保護することは、音楽をつくったり、演奏したり、あるいはそれらを後世に伝えていくミュージシャンがその活動への正当な評価と対価を受け取るために必要なことであり、その保護において音楽著作権は非常に重要な概念と言えるのです。
また、音楽著作権が必要な他の理由としては、既存の音楽が簡単に模倣できることによって、新たな音楽を作ろうという「作者たちの創作意欲が衰退してしまわないようにするため」ということもあるでしょう。
いずれにせよ、それぞれの作品のオリジナリティや、作者たちの創作意欲が保たれることによって、音楽は文化としてより発展してゆくことができる、というのが音楽著作権の基本的な考え方だと言えるでしょう。
音楽著作権の問題点について
しかしながら、この音楽著作権は以前から何かと議論の対象となってきたものでもあります。
もし、音楽著作権に問題点があるとすれば、それはどのようなものなのでしょうか..?
結論から言うと、音楽著作権の問題点はその「あいまいさ、分かりにくさ」にあると言えるでしょう。
とはいえ、先に述べたように、音楽著作権の理念自体は「作者の権利を守る」という、いたって単純なものです。
また、作者の権利や楽曲のオリジナリティを守ることが、「音楽そのものの発展に繋がる」という点も一定以上の妥当性を持っているように思われます。
しかしながら、音楽著作権の問題点は、それが実際に適用される際にあります。
ここでは、2007年に起きた演歌歌手、森進一さんの「おふくろさん騒動」を例にとってみましょう。
「おふくろさん騒動」とは、演歌歌手の森進一さんと、作詞家の川内康範さんの間に起こった音楽著作権に関する一連の騒動のことをですが、 これは、森さんが、彼の持ち歌である「おふくろさん」という曲の冒頭に、本来の歌詞に無い台詞をつけて歌ったことに起因するものでした。
この時、日本音楽協会(JASRAC)は森さんに対し、台詞を付け加えることは歌詞の改変に当たるとし、「おふくろさん」の歌唱を禁じています。
しかしながら、別の見方をするならば、歌う前の”台詞”は”歌詞”とは別のものであり、歌詞そのものとは何ら関係ない、と考えることもできるでしょう。
この点において、「おふくろさん騒動」の客観的な判断は難しいものがあります。
音楽著作権の問題点は、いくら著作権の理念が明確でも、それを実際に適用しようとすると客観的な判断がしずらい場合があるということです。
また、パクリや盗作という言葉に対して、オマージュやインスパイアという言葉があるように、音楽の借用に関する見解もその都度、異なっており確定しずらいところがあります。
さらに、最近は、飲食店の中で流す音楽にも、音楽著作権の使用料が発生するなど、私達が直感的に理解しがたい複雑な法律があるのも事実です。
音楽著作権の今後
今回は、音楽著作権の問題点について考えてきましたが、昨今のデジタル・メディアの進展に伴い、今後もその議論はさらに過熱するように思われます。
実際、既存の法律だけでは、現在のデジタル音源などに関する諸問題を網羅することができていません。
それは、これまで音楽著作権と言うものが、レコードや CDなど実際にパッケージ化され流通している物をその主な対象としてきたからでもあります。
音楽著作権が今後、生産者にとっても消費者とっても、できるだけ公平なものとなるには、さらに時代に応じた問題点を見つめていかなければならないでしょう。