音楽療法の仕事内容
音楽を用いて様々な病気の症状の緩和や治癒をする、音楽療法の仕事。
「音楽療法」という名前は聞いた事があるけど、具体的にはどんな仕事なのかあまり分からない
人も多いのではないでしょうか。
今回は、音楽療法のお仕事について、それが活用される場所、また、どのようにして携わることができるかなど、その仕事の内容を見ながら説明したいと思います!
音楽治療の仕事とは
音楽治療とは、音楽の持つ、心理的、生理的、社会的な効果を利用することで、心身障害の回復、機能の改善維持などを含め、様々な病気のサポート、治療を目的とする療法のことです。
音楽療法は、発達障害や精神障害、認知症などをはじめとし、子供から高齢者まで、幅広い年齢層に対し用いられています。
また、仕事として音楽治療を用いる人のことを、「音楽療法士」と言います。
それでは、音楽療法とはどのような場所で活用されているものなのでしょうか?
音楽療法が活躍する場所
音楽療法が活躍する主な場所としては、「医療機関」、「福祉や介護の施設」などが挙げられます。
とはいえ、現在、日本で仕事として音楽療法が用いられる場所は他の医療に比べると限られたものになっており、音楽療法士の募集も決して多くはないようです。
海外では、音楽治療が積極的に利用される国もありますが、その点、日本はその治療の拠点の確立においてまだ発展の途中であり、そのような意味では、音楽治療の仕事は今後の成長が期待されている分野であるともいえるでしょう。
音楽療法に必要な資格
音楽療法を仕事で用いるためには、音楽療法士の資格が必要となります。
しかしながら、現在、日本では音楽療法士の資格は国家資格とはなっておらず、「民間における認定資格」となっています。
音楽療法士の資格には主に二つの資格があり、一つは、日本音楽療法学会よる「認定音楽療法士」というもの、もう一つは、法士養成協議会による「音楽療法士1種・2種」というものがあります。
「認定音楽療法士」の場合、その取得のためには、日本音楽療法学会の主催する、書類審査と面接試験に合格することが必要となります。
また、「音楽療法士1種・2種」は、日本音楽療法学会が指定する音楽療法士育成のための講座を持つ、大学、短期大学で必要科目を学び、卒業することで取得することのできる資格となります。
他にも、音楽療法士の仕事に必要となる認定資格を与えている団体はあるようですが、以上の二つが主流のものとなっています。
まとめ
現時点においては、音楽療法の仕事は、国内では少なく、その資格の取得においても、決して簡単なものではないようです。
また、資格などを取得しても、数年以上の実務経験や、仕事における活用に際して一定以上の判断力が求められることとなります。
それは、今のところ、音楽と人の心身の関わりについては、私たちが日常の経験から学んでいることは多くとも、科学的にはまだ明確な解明がなされていないこともあるからでしょう。
しかしながら、将来的にさらに研究が進み、音楽療法の有効性が今よりも実証され、発展の可能性が見出されれば、日本を含め世界中でもこの音楽療養という仕事についての認知度は上がっていくものと思われます。
音楽療法は精神にどんな効果があるの?
きっと皆さんの中にも、音楽を聴いて癒されたり、元気をもらったりしたという経験を持つ人は多いのではないでしょうか?
音楽の持つ不思議な効果は、医学的にも証明されており、「音楽療法」として様々な治療に広く用いられているものでもあります。
では、音楽療法とはわたし達の精神にどのような効果を持つものなでしょうか?
音楽療法って何だろう?
音楽が人間の精神に何かしらの効果を持つことは昔から知られてきたことでもあります。
例えば、音楽は医学以外では、宗教の儀式、政治、戦争などにおいても、その効果をあらわしてきました。
「音楽療法」とは、ごく簡単に言えば音楽を用いることで、何かしらの疾病を持った人の精神や身体をサポートしたり治癒させるための治療法だと言えます。
音楽は適切に用いることで、人間の身体や精神を健全なものにしてくれる効果もあるのです。
音楽療法には大きく二つの種類があり、ひとつは楽器を演奏したり歌うことによる「能動的音楽療法」、もうひとつは、音楽を聴くことなどによる「受動的音楽療法」があります。
また、音楽治療に使われる音楽も様々であり、患者や治療の内容によってその都度、適切な効果が得られるものを選ぶこととなります。
音楽治療は精神に様々な効果が
これまでの研究で、音楽は、わたし達の精神に様々な効果をもたらしてくれることが明らかになっています。
音楽療法は、このような音楽の持つ性質を利用することで、「うつ病」や「不安障害」、「統合失調症」などをはじめとして様々な精神の疾病への効果をあらわすことが報告されています。
例えば、音楽治療では、治療を受ける人が自ら主体的に好きな音楽を選び、その音楽を歌ったり演奏したりします。
このような、身体を実際に動かすことによる、能動的な音楽治療は「精神の働き活性化」させ、同時に「リラクゼーション効果」、「ストレスの解消」をもたらすことが確認されています。
私たちの身体は精神と繋がっているものでもあるため、身体の運動と共に「心拍、脳波」が正常化されたり、心が「音楽の持つリズムを感じる」ことは、精神的な意味でも非常に良いことなのです。
さらに、音楽を聴き、ゆっくりと自分の中にあるイメージを膨らませ、豊かにしてゆくことで、「ヒーリング(癒し)」などの効果も期待することができます。
実は音楽治療ははじめ、アメリカで第二次大戦の後、PTSD(心的外傷後ストレス障害) を患った人々の精神的なケアのために用いられたものでした。
現在においては音楽治療は、うつ病などの精神的な治療のみならず、認知症やパーキンソン病なども含めた幅広い病気の治療にも用いられています。
まとめ
音楽に、癒しの効果やリラックスの効果があることは、皆さんも日常の経験からなんとなく気づかれているのではないでしょうか?
近年ではクラシックの曲などをはじめとして、その癒しの効果に関する研究が進められ、メディアなどでも注目されました。
音楽治療はそのような音楽の持つ力を、様々な病気の治療に応用し、役立てるものなのです。
私たちが、日常的に音楽を聴くのも、きっと私たちの精神が、音楽の持っている不思議な効果を、無意識ながらも求めているからではないでしょうか。